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10月 学校だより

ニューヨーク日本人学校
校 長   森 本 恵 作
発 行 2025年10月24日

読書?スポーツ?食欲? 「〇〇の秋」が深まっています

 グリニッチの秋は足早にやってきて,最近では風が強く寒さを感じる日もあります。子供達には,まずは健康第一で,そして,過ごしやすい気候の日にはぜひ何か楽しみを見つけて過ごしてほしいと思います。
 学校では,授業で楽しく学習する様子や,校外学習やスポーツ交流での体験など,子供たちが頑張っています。

学びが深まったスクールフェスティバル

 10月11日(土)にスクールフェスティバルを開催しました。テーマは「舞台の上で堂々と~Let’s have fun~」で,どの学年もどの児童生徒も自分が学んできたことを堂々と,立派に発表していました。
 1年生と2年生は「寿限無(じゅげむ)」という落語の演目を劇で発表しました。浴衣を着て江戸時代の人に扮したリ和尚さんになったりして,日本の着物を着る体験になっていました。また,「かごめかごめ」のような昔ながらの遊びも劇の一場面として取り入れて日本文化を知るきっかけづくりとなっていました。子供たちは大きな声と大きく動かす手足で元気よく,わかりやすく演じていました。「じゅげむ じゅげむ ごこうのすりきれ…」という長い名前を一人一人が完全に覚えてしまって一生懸命に唱えているのを見ると大変微笑ましく思えました。会場の皆さんも巻き込んで「じゅげむ じゅげむ ごこうのすりきれ…」の大唱和。会場は笑いに包まれました。

 3年生と4年生は「ライオンキング」をミュージカル風に仕立てて演じていました。ニューヨークのブロードウェーでもロングランになっている注目の演劇を,子供達が工夫して演じています。動物の動きやヌーの大群,「ハクナマタタ」の歌と陽気な仲間たち。場面が切り替わるごとに真剣味が表現されたり,楽しい雰囲気が醸し出されたりして,会場の皆さんも物語に引き込まれていきました。最後の合唱では,3年生と4年生のみんなの元気な声が響き渡ってフィナーレ。演出の工夫と子供たちの表現の楽しさがいっぱいあふれる劇になりました。

 5年生と6年生は「ビブリオバトル」で,夏休みに読書感想文で選んだ図書についてチームでプレゼンテーションを行い,その魅力を余すところなく伝えました。4チームの発表からは,魅力を箇条書きにして挙げる,魅力を一言で表現する,その本を進めたい人のタイプを言う,などさまざまな工夫がありました。またゆっくり,わかりやすい言葉を選びながら話すという技術も高まっていることが分かりました。どの本も読んでみたいと思わせるプレゼンテーションでしたが,会場の皆さんには投票していただいてバトルの結果が楽しみになりました。5年生のパワフルさ,6年生のインテリジェンスが光る発表となりました。

 7年生と8年生は「アメリカの独立」を劇にして発表しました。8月下旬にワシントン,フィラデルフィア方面に修学旅行へ行き,そこで体験したことや感じたことをたくさん盛り込んだ劇に仕上がっていました。物語はある学校の社会の時間から始まり,タイムスリップ。そこで様々な時代の出来事を経験して帰ってくるというものです。まるで修学旅行の子供たちをほうふつとさせる設定となりました。「戦いに負けても自由は死なない!」というような独立を求めた人々の思いに寄り添って考えてみた印象的なセリフが散りばめられており,観る人を引き付けていました。

 9年生はディベート団体戦の決勝戦を行いました。「教科書はすべてデジタル教科書にするべきだ」という論題のもと,これまでトーナメント戦を行ってきたのですが,その決勝チーム同士の対戦です。それぞれの立論ではプレゼンテーションソフトを効果的に使って,自分たちの訴えたいことを分かりやすく伝えていました。反ばくの段階では,互いに弱点を探りながら自らの論が有利になるようにしのぎを削り合っていました。会場の皆さんにも採点していただきながら,熱い論戦を観ていただきました。ディベートそれ自体もさることながら,裏方としてのアナウンスやルール説明,照明などの会場運営など,すべて自分たちの力でやりきったところに9年生の完成度の高さを感じました。

 初等部,中等部はそれぞれ合唱・合奏を聴かせてくれました。心を込めて歌うハーモニーが会場に響き渡り,ニューヨーク日本人学校スクールフェスティバルのフィナーレを迎えました。一人一人が自分の役割にしっかりと向き合いながら,緊張やどきどきする気持ちをはねのけながら「舞台の上で堂々と」発表することができました。子供たちは発表に向けて日々練習を重ねる中で,自らのできることを増やしたり,技能を伸ばしたりして確実な成長を見せてくれたと感じます。
 保護者の方々もこれまで衣装などの準備や励ましをくださり,当日もあたたかく大きな拍手をくださり,ありがとうございました。子供たちが勇気をもって堂々と発表できたのはご家庭の応援のお陰です。

イースタン・ミドルスクールとサッカー交流

 10月21日に,6年生から中等部の希望者が,本校の近くにあるイースタン・ミドルスクールに出向いてサッカー交流を行いました。互いに力を出し合いながら,サッカーを楽しむ様子がありました。たくさんの保護者の皆さんも応援に駆けつけてくださり,声援や拍手がいっぱいの交流になりました。
 スポーツを通して子供同士が交流し,互いについて知ったり文化を感じ合ったりすることは大きな価値があります。今後も継続してこのような機会をもつことができればよいと考えています。

初等部5・6年生修学旅行報告会

 10月22日に,初等部5・6年生による修学旅行報告会が開かれました。ボストンやプリマスを訪れて学んだ歴史のことがらや思い出について,グループに分かれて発表しました。一人一人が自分の知ったことや感じたことを堂々と話していました。
 感心したのは,歴史的な知識ばかりでなく,仲間と一緒に過ごした3日間を通して,時間の大切さ,仲間の大切さ,リーダーとしての責任感,計画性の大切さなど,生活する上で重要なことがらにまで気付いていたことです。宿泊学習を通して,少し大人になったと言えるかもしれません。
 また,修学旅行の後に転入してきた子供は,スクールフェスティバルを通じて学んだことを発表しました。自らの経験や考えをしっかりと伝えることができる子供たちの姿を見て頼もしく感じました。