
2009年度卒業生
慶應義塾大学
三菱地所株式会社
ニューヨーク日本人学校への入学を検討されている皆さまへ、卒業生の1人として僭越ながら寄稿させて頂きます。在学時の思い出や卒業後の進路、現在の仕事等、少しでも皆さまのご参考になれば幸いです。
ニューヨークで生まれた私は、日本の教育とアメリカの教育の両方を受けられるニューヨーク日本人学校に入学しました。そして小学1年生の入学式から、中学3年生の夏まで、実に9年近い歳月を本校で過ごしました。ニューヨーク日本人学校では学内に限らず、地域社会や現地校との「外部交流」が盛んで、本校だからこその特別な経験ができました。学校を挙げての海岸清掃や廃品リサイクル、募金等のボランティア活動では、自分たちで考え、行動に移すことの大切さを学びました。現地校と互いに1日ずつ授業を入れ替える「学校間交流」では、外国人の学生に対して日本の教育や歴史、文化を伝えることの重要性や難しさを学びました。アメリカ人の学生の家に滞在させて頂き、彼の家族や友人たちとリアルな「アメリカンライフ」を共にするホームステイプログラムでは、異なる文化に直接触れることができ、価値観の違いを受け入れ、またその中で自らを発信することの大切さ、そして確かな手応えを感じることができました。卒業して13年が経とうとする今も当時の思い出は鮮明に蘇り、そしてその全てに改めて感謝しています。
ニューヨーク日本人学校で得た「人生の宝物」は数え切れない程ありますが、恩師の皆さま、PTAの皆さま、そして何よりも、社会人になった今でも仲の良い友人たちは、私にとってかけがえのない宝物です。私が在籍していた当時は1学年20〜30名程度で、上下の隔たりもなく、先生を含め学校の全員が家族のような関係性でした。人数が少ないが故に、自分の考えを発信する機会や他人の気持ちに寄り添う場面も多く、何気ない日々の中で常に主体的に学び、成長することができたと今になって実感しています。日本から遠く離れたアメリカの地で、同じ思い出を共に分かち合い、学業やスポーツでは切磋琢磨し、新たな出会いや別れを繰り返し、人として大切なことをたくさん学ぶことができました。そんなかけがえのない友人たちと一緒に、ホワイトハウスの中まで見学することができたワシントンDCへの修学旅行は、今後の人生においても決して忘れられない思い出です。
中学3年生の夏に慶應義塾ニューヨーク学院に進学し、慶應義塾大学への進学を機に日本に戻りました。ニューヨーク日本人学校で培った自立性や積極性、そして何よりもオープンマインドな精神を活かし、大学生活では様々な活動において中心的な役割を担うことができました。ニューヨーク日本人学校で過ごした日々が、高校、大学、そして現在の仕事にも繋がっていると確信しています。かけがえのない友人たちと出会い、切磋琢磨し、成長できたニューヨーク日本人学校での日々は、私の人生における1番の財産です。